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【VUCA時代を勝ち抜く】転職を考えたときに考えたい将来のキャリアプラン4選

キャリア 転職活動

こんにちは、坂東 夏樹(ばんどう なつき)です。
このブログでは、環境が目まぐるしく変化して将来を予測できないVUCAの時代において、転職によって形成されるキャリアプランを4つ紹介します。

転職を考えているけど人生100年時代のキャリアは明確ではなく漠然としている。
VUCA時代に自分は安定して食っていけるのか不安。
キャリアプランってなに?自分でどうやってコントロールしていくの?

そんな不安を解消できる記事です。

目次

  1. VUCA時代にマストのキャリア観
    ・ポータブルスキル=天才性を見つけよう
    ・4つの戦略的キャリアプラン
  2. プロフェッショナル追求
  3. キャリア穴埋めジェネラリスト
  4. 計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)
  5. ゴールからの逆算
  6. まとめ:筆者のプラン
    ・1社目から2社目:計画的偶発性理論
    ・2社目から3社目:キャリア穴埋めジェネラリスト

VUCA時代にマストのキャリア観

いつの時代も「変化が激しい」「将来が不透明だ」と言われている気がします。
しかし確実にこの1年、コロナウイルスによって否応なしに企業だけでなく個人も変革を求められています。

VUCA(ブカ[1][2]、ブーカ[3][4])はビジネス用語。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べたアクロニム[5][4][6][7]。1990年代後半にアメリカ合衆国軍事用語として発生したが[8]、2010年代になってビジネスの業界でも使われるようになった[8][4][7]。「今はVUCAの世界になった」というような文脈で使われることも多い。
引用:Wikipedia

ビジネスに置き換えると、テクノロジーによって業界の壁が溶けたことが挙げられます。

トヨタも「自動車をつくる会社」から「モビ リティカンパニー」にモデルチェンジすることを社長が表明したり、Uberによってタクシー業界が様変わりしたり、AirbnbやOYOによってホテル産業も大きな地殻変動が起こっていたりどの業界においても「IT × ○○」で○○Tech産業が次々に生まれています。

企業から個人に目を向けても同様です。

オックスフォード大学の発表した論文ではコンピューターにより自動化され、今後10~20年程度で米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったと発表されました。
引用:カール・ベネディクト・フレイ及びマイケル・オズボーン「The Future of Employment: How Susceptible are jobs to computerization?」(2013)

いまある職種がなくなるだけでなく、新しい職種も生まれています。
YouTuberが顕著でしょう。

いまの仕事をキャリアを通じて一貫することは一部の人になり、多くの人が多様な経験をしていくことが一般的になるでしょう。

ポータブルスキル=天才性を見つけよう

ではいまの仕事で得た経験やスキルが無駄になるということでしょうか?
それは違います。

本で読んだり、人から聞いたりしたことで概要がわかっても自分が実際にできるようになるわけではないように実務で得たことはかけがえのないものです。
ただいまの延長線上で同じことを続けていくことが難しくなるということです。

いまの仕事、これからやる仕事の要素を抽出してポータブルスキルとして認識することが重要です。

ある種「天才性」と言い換えることができます。

イチローも野球の才能や努力によって日本球界だけでなくMLBでも活躍しました。
中田英寿も同様です。

しかしイチローはHRを量産するような選手でなく、中田英寿もストライカーではありませんでした。

本書ではイチローについて「努力、組み上げる」天才性を持っており、中田英寿は「バランス感覚、フィールド全体を見回す」天才性があったと記述されています。

このように一つの仕事におけるスキルや知識ではなく、抽象度を高めて仕事やプライベートで発揮できる天才性を理解し、天才性を起点に職を通じて報酬を得ていくことが個人としても社会としてもより良い状態であると言えます。

単に営業でITソリューションの新規開拓でトップの成績を収めたから営業の才能があるから、自分は営業職を極めるのだ、ではなく、なぜ新規開拓で成果を残せたのかと分析をしていくと

  • 相手が知らないことを相手に理解してもらえるように噛み砕いて説明できる
  • 相手が未経験で不信を感じていることに対し、不信を払拭し、腹落ちしてもらえるコミュニケーション力
  • 適切な市場を見極めて最小の努力で最大の成果を得られる戦略性
  • 社内にナレッジがない状態でも1を聞いて10を理解しすぐに行動できる特性

など営業職以外にもマーケティング、コンサルティングやもしかしたら人事系でも天才性を発揮できるかもしれません。

この天才性こそがVUCA時代で外部環境が変わろうとも普遍的なあなた固有のスキルや市場価値です。
天才性をうまく解釈し、どの市場、どの職種で発揮させるかがキャリアを形成していく上で必須となります。

ここまでVUCA時代、新たな職種が生まれる一方消えていく職種があること、天才性などいまの時代にキャリアを形成していくための前提知識を共有しました。

4つの戦略的キャリアプラン

  • プロフェッショナル追求
  • キャリア穴埋めジェネラリスト
  • 計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)
  • ゴールからの逆算

転職が未経験であれば1回の転職で終えたい、次の会社ではもっと長く勤めあげたいと考えているかもしれません。

しかし就職活動をしていたときも同様のことを考えていませんでしたか?
これだけ就職活動をしたんだ、優良ホワイトに内定をもらったからにはもう安泰だなどと。

次のキャリアを全うすることも一つの理想ですが、転職という選択肢を持っておくことに損はありません。
その際に大卒での就職から定年、その後と働く期間全体を見据えてどのようなキャリアプランがあるのかを知ってもらいたく、ここで紹介します。

プロフェッショナル追求

新卒で配属された職種も何かの縁と捉え、一つの職種を極めていくキャリアプランです。
営業職であれば、あらゆる商材やビジネスモデルを経験し「なんでも売れる、売れないものはない」状態を目指していきます。

商品形態

  • 有形:自動車、家、消費財など
  • 無形:保険、サービスなど

ビジネスモデル

  • 薄利多売:消費財など、いかに効率よく多くの場所を回ることができるか
  • 厚利少売:自動車や家など、顧客との信頼関係構築や関係者が多い会議をまとめる
  • サブスクリプション:セールスだけでなくカスタマーサクセスまで

営業に特化して書いていますが、これは他の職種でも同様です。

人事であれば採用から育成、研修、労務や給与など人事と呼ばれる職種を全て網羅するイメージです。
もしくは新卒採用に特化して新卒採用と言えば右に出るものはいないという域まで極めることも考えられます。

プロフェッショナル追求は、最初の会社においてその職を極めたというタイミングで転職を考えます。

  • 今までは個人向けに生命保険を営業してきた
  • 3期連続で全社トップクラスの営業成績を収めた
  • 次は法人営業のスキルを身につけたい

営業という職種は変えずに勤める企業を変えるために転職をします。

メリット

  • 基礎スキルは変わらないため、環境を変化させやすい
  • 基本的に横展開していくことで業界問わず、安定的に仕事ができる

デメリット

  • ニッチすぎる職を極めるとメリットを発揮できない可能性がある
  • ファーストキャリアが天才性を発揮しづらい領域かもしれない

キャリア穴埋めジェネラリスト

異動や転職でビジネスフローやバリューチェーンに沿って網羅的にキャリアを経験していくキャリアプランです。
一般的な会社にある職種を経験し、プロフェッショナルとは言えないが、ある程度は一人で一気通貫で業務を進めることができます。

実体験をベースとして話したいという性格や、幼少期からなんでもそつなくこなせたが全て80点ぐらいという優等生タイプの人にマッチしやすいです。
また物分かりがよく物事の要点がすぐにわかる人にも向いています。

総合職採用の方が技術系(生産・R&Dなど)まで広げる必要は流石にありません。

メリット

  • 実体験を通じて自分の天才性を見つけることができる
  • 企業規模を変えた転職(ex.スタートアップ)などであれば職務を越境的に担当できる
  • バリューチェーンを理解しているので経営目線から俯瞰することができる

デメリット

  • 一つの職種ではプロフェッショナル追求には勝てない
  • なんとなく転々としている状態だと器用貧乏になり、あなたに任せる理由が明確でなくなる

計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)

計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theoryは、心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によって1999年に発表されたキャリア理論です。クランボルツ教授がビジネスパーソンとして成功した人のキャリアを調査したところ、そのターニングポイントの8割が、本人の予想しない偶然の出来事によるものだったそうです。このことをきっかけに、クランボルツ教授は計画的偶発性理論を提唱しました。
引用:計画的偶発性理論とは?クランボルツ教授に学ぶキャリアデザイン

スティーブ・ジョブスの「Connecting the dots」とも似ている話です。たまたま空き教室でやっていたカリグラフィの授業を受けたことがAppleのデザインに生きているという話です。

何か心が惹かれる、やってみようと思う時点で特性があるかもしれませんし、主観と客観の違いが影響しているかもしれません。

就職活動などで自己分析の際に仲の良い友人に「わたしってどんな人?」って聞いた経験があると思います。
その答えはあなたが予想していた、言って欲しいことであったかもしれません。
しかし、自分が認識していないアピールポイントも発見できたのではないでしょうか。

会社の人事も全くの根拠もなく異動させることはないです。
もちろん人事異動が必要になった、誰かを異動させないといけないという状況はあるでしょう。
でもそこであなたが抜擢されたということは、人事や自部署の管理職から見て適性や何かがあったと言えます。

他人による評価や判断や自身で決断するタイミングなどの偶発性が、数年後振り返ったときにターニングポイントになっているということです。

もちろん流れや雰囲気に任せておけば良い感じにキャリアを作ってくれるんでしょ?という受け身の姿勢ではターニングポイントは生まれません。都度自分自身で決断していくことが重要です。

メリット

  • 他者の客観的評価がキャリアに影響している
  • 数年後に振り返ると一貫した自分だけのキャリアストーリーができている(=模倣困難)

デメリット

  • 裏を返せばターニングポイントの2割は偶然ではない
  • 会社に任せておけば大丈夫という受け身では良いキャリアは拓けない

ゴールからの逆算

30歳で起業する、40歳でFIREする、地方移住を実現するために10年で貯蓄を○万円するなど自分のゴールを予め設定し、それに向かって逆算的にキャリアの小さなゴールをクリアしていくキャリアプランです。

例えば、30歳で起業するというゴールを掲げたとしましょう。

  • 大学時代にスタートアップでインターンをしてベンチャーのリアルを知る
  • 新卒では証券会社に入社して金融リテラシーと営業力を身につける
  • 経営コンサルティングに転職して経営の擬似体験をする
  • スタートアップへ転職してCOO的な立ち回りを経験する
  • 30で満を持して自分の会社を立ち上げる

30で起業すると決めると社会人は8年しかありません。また起業家になるという志があるのであれば大学時代にインターンなどで将来の自分を見ておくことも重要な経験になるでしょう。

起業をゴールとしているので、少しキャリア穴埋めジェネラリストに近い部分はありますが、あくまで経営者になるために必要な実務を理解するというイメージです。

キャリア穴埋めジェネラリストは職種を転々とする中で自分の天才性に触れ、どこの領域であれば最大限発揮できるかということをキャリアを通じて見定めていきます。もちろん結果として起業という結論に至るかもしれませんが、結果に至る道筋が異なります。

ゴールによって逆算する内容が異なってくるので、一概には記載できませんが、下記は必須です。

  • ロジックツリーによるMECEな分解能力:ゴールを実現するために何が必要か
  • 情報収集能力:必要な素材はどこで、どうやって集めることができるか

メリット

  • キャリアにおいて常に目的を持つことができる

デメリット

  • ブレないゴールを作らないと中途半端になってしまう

まとめ:筆者のパターン

ここまで変化の激しいVUCA時代を勝ち抜く4つのキャリアプランを紹介しました。

最後に筆者のキャリアプランをまとめとして書いていきます。
キャリア概略については自己紹介をご覧ください。
坂東 夏樹(ばんどうなつき)のプロフィール

エア・ウォーター株式会社(東証一部上場の化学メーカー)に入社

経営企画部に配属、M&A(企業買収)や営業支援システムの導入窓口を担当。
その後人事部 新卒採用に異動し、2シーズン新卒採用をメインで担当。

株式会社O:(J-Startup選出 ヘルスケアスタートアップ)へ転職

スリープテック企業の一桁社員としてジョイン
営業・CS・マーケティング・採用・人事労務・経理・財務・資金調達など創業社長の隣で業務に従事。

株式会社セールスフォース・ドットコム(外資系IT)へ転職

インサイドセールスとして初めての営業に従事。
中小・スタートアップ企業への新規開拓からキャリアをスタート。
現在はエンタープライズ企業に対する新規開拓および既存深耕を担当。

振り返るとキャリア穴埋めジェネラリストと計画的偶発性理論のエッセンスがあります。

1社目から2社目への転職:計画的偶発性理論

わたしも新卒入社当時、キャリアについて明確なゴールはなく、東証一部上場企業かつインフラに近い原料を扱っていたので安泰だと感じていました。

しかし経営企画であらゆる業態・業種・規模の企業や事業を見たこと、数多企業があることから、転職ってどんな感じなんだろうと2年目から薄く転職活動を始めました。
またNewsPicksを通して「スタートアップやベンチャーってかっこいい」と感じ、「次に転職をするなら今とは違う規模に転職しよう」と考えるようになりました。

大企業の年功序列、成果に関係なく同期は横並びという雰囲気も嫌だったので、同様の大企業に転職をしても嫌に感じている部分は変わらないだろうと考えたことも影響しています。

計画的偶発性理論のエッセンスを感じるのですが、人材系企業に勤めていた大学時代の友人に夏休みに会う機会がたまたまありました。
定期的に会っているわけではなく、たまたま連絡を取り、ちょっと飲みに行こうとなりました。

そこで次はIT系のベンチャーに行きたい、いまの会社と正反対なところに行きたいと話しました。
彼からアドバイスをもらいたい、良い転職先を勧めてもらいたいというわけではなく、ただ会話の流れで話しただけでした。

数日後、その友人から紹介されたのが2社目のスタートアップです。
1週間後ぐらいに創業者と会い、数回面接というかすり合わせを行いその夏に転職を決めました。

2社目から3社目への転職:キャリア穴埋めジェネラリスト

2社目では数人のスタートアップなので職種にとらわれず、越境的に業務に取り組みました。
1社目からの転職の際に退職の挨拶を関係者に送付していました。
その中から「次はどこに行くんですか?うちに興味ありませんか?」という嬉しい言葉ももらえました。

1社目で経営企画部としてCRMを取り扱うことになり、メインで担当していたこともあり、そこでの出会いがきっかけとなり、2社目から3社目への転職活動を始めました。

キャリア穴埋めジェネラリスト的な側面が出てきます。
1社目でのファーストキャリアが経営企画だったこともあり、文系就職の王道である営業を一貫して経験してこなかったのです。
一方、人事部で新卒採用を担当したり、2社目のスタートアップでファイナンスやマーケティングなど幅広に経験していました。

営業だけぽっかりと穴が空いている状態でした。
そこで営業力を身につけるために3社目のキャリアでは営業を選択しました。

これからのキャリア

2度の転職を経験し今年30歳を迎えました。
濃淡はあれど、職種として営業、CS、マーケティング、人事、労務、経営企画、ファイナンスを経験しました。

この経験を踏まえ次をどうするか、現段階で明確なものはありません。

わたしのキャリアにおける信念は、選択肢を増やすことです。
転職を経て、確実にキャリアの選択肢は増えています。

このブログを通じてあなたのキャリアの選択肢を増やすことができればそれ以上に嬉しいことはありません。

転職について自分の考えが整理されていない場合は、転職の方向性について考えてみてください。

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