大企業からの転職を考えたときにまずやるべき3つの準備【3C分析】
こんにちは、坂東 夏樹(ばんどう なつき)です。
このブログでは、大企業からの転職を考えたときにまずやるべき3つの準備について紹介します。
いま大企業に勤めているけど将来を考えるとこのまま働いていて良いのか不安。
転職の自己分析ってどうやってやるのかな、就活とは違うの?
実際転職するとしたらどんな準備をしないといけないの?
そんな不安を解消できる記事です。
目次
- 大企業からの転職を考えたときにまずやるべき自己分析のポイント【自己分析=Company】
・なぜ転職をしたいのかを言葉にして説明する
・職務経歴書を試しに書いてみる
・本当に転職をしたいと思うなら準備をしましょう - 追い風?向かい風?いまの転職市場を知る【マーケット分析=Customer】
・正直に申し上げると求職者にとって向かい風です
・プラスの側面 - いざ転職となったときにどんな人が競合になるか【競合分析=Competitor】
・どのような人が競合になるか
・転職市場において大企業出身であることのメリット - 転職活動を始める準備は整いました
・大企業でも安泰ではない時代に自分でキャリアを形成しよう
・薄く転職活動を続ける
・来るべきタイミングに備えて適切な準備をしましょう - まとめ
3C分析を活用して、自己分析、転職市場、競合の順番に整理をしていきます。
最後にまとめとして今から取り組める転職の準備を紹介します。
この記事を読んだ後にはすぐに転職活動をスタートできるような状態にすることをゴールにします。
わたしは新卒で時価総額4,000億円超の東証一部上場企業に入社し、
スタートアップ、外資系ITへと2回転職して全て年収を上げています。
手取り月給
- 1社目:手取り20万円
- 2社目:手取り35万円
- 3社目:手取り50万円
転職に関する情報をネットで探すとエージェントに繋ぐアフィリエイトが多いです。
わたしも求めている情報になかなかヒットできなかった経験があります。
わたしは一度エージェントと会話しました。
しかし2回ともエージェントを活用せずに転職をしています。
本ブログではエージェント経由ではない方法で転職をする方法を書きます。
ただ、エージェントも活用できる場面はあります。
大企業からの転職を考えたときにまずやるべき自己分析のポイント【自己分析=Company】
なぜ転職をしたいのかを言葉にして説明する
いま説明できなくても大丈夫です。
なぜなら大企業に所属していると転職について教えてもらう機会はありません。
中途入社者は社内にいるかもしれません。
大学時代の友人で転職した人がいるかもしれません。
しかしあなたが今いる超大手企業から転職していった人の話を聞く機会はそれほどないのではないでしょうか。
わたしも転職に関する知識はありませんでした。
新卒3年定着率が限りなく100%に近い会社でした。
なので身近に転職をした人がいませんでした。
ではどうやって転職したい理由を考えていったのか。
それは実際に転職活動をして動いたことです。
実際に転職活動をしながら自分が転職を考える理由、希望の条件を整理していきました。
まず仕事、職場に求める条件の候補を出します。
- 給与
- 福利厚生
- やりがい・社会貢献度
- ワークライフバランス
- 知名度・自慢したい
- 職種のプロフェッショナルを目指したい
- ○○業界に携わりたい
なんでも良いです。
粒度の違いなど気にせず思いつく限り紙に書いてみてください。
次はいま書き出した条件に数値をつけてみてください。
これはぼくの1社目のケースです。
MAXの理想を100としたときにそれぞれの項目でどのぐらいかを考えてください。
主観で構いません。
- 給与はそこそこボーナスたんまり
- 社会貢献度は高いビジネス
- BtoB製造だったので知名度はそれほど
- プロを目指したい、ずっと業界に携わりたいとは思えなかった
ここまではみなさん考えたことがあるのではないでしょうか?
もう一歩踏み込んでみましょう!
独身だしまだ20代、何ができるのか、何に興味があるのかもわからない。
青線をわたしの1社目、赤線を転職先に求める条件としました。
- 給与や福利厚生はそこそこで良い(下げても良い)
- 飛び込みたい業界がある
- ある職種のスペシャリストになりたい
条件ごとに理想の状態に対してどの程度か、条件同士の相関も見えてきたのではないでしょうか。
- 次の転職で給与を落としてでも良いのでスタートアップへ挑戦したい
- 給与は落としたくないけど業界を変えたい
- 就職活動で頑張って超大手に入ったけど知名度はそれほど重要視していない
もちろん全てを100に近づけることはキャリアにおいて大事です。
しかし最初の転職から全てを実現することは難しいです。
であれば、会社で働いてみて自分が何を優先するのか、そのために下げても良いことは何かを把握して
希望に合致する転職先を探して挑戦してみてはどうでしょうか。
「わたしはいまの会社に満足をしていて転職はしない」
「転職ってネガティブなイメージ」
と考える人もいるかもしれません。
転職をしなくても改めて条件に順位をつけて整理することで、現在の職場で成果をさらに上げることができます。
まずは転職するしないに関わらず現状を整理してみてください。
このブログを見ているということは転職に全く関心がないわけではないでしょう。
自分なりに転職をしたいと思う理由を整理してみてください。
その理由が次の職場や仕事を探す起点になります。
あなたが日中の大半の時間を捧げている仕事をする理由でもあります。
理由をはっきりと知ることが、次の転職だけでなくキャリアを形成していく上での指針になります。
条件の比較は転職をした後でも定期的にやってみてください。
転職を経験することでグラフに記載でき実線が増えます。
生涯1社であれば今の会社のことしかわかりません。
自分は今の給与に60という評価をしているけれど果たして60なのか検証する機会がありません。
一方転職をすると1社目と2社目の福利厚生を実体験を通して比較することができます。
転職会議やサイトに載っている他人の評価ではなくて自分の評価です。
各条件に対する自分の優先度、重み付けが理解できるとキャリアを形成していく上で優位です。
職務経歴書を試しに書いてみる
試しに書いてみてください。
書けますか?
フォーマットは自由です。僕はWordで書きPDFにして送付していました。
- 職務経歴の概要(400字ぐらい)
- 得意分野/スキル(自己PRのようなイメージ)
- 志望理由
- 職務経歴の詳細(業務概要、成果、役割)
- その他
上手く書けなかったのではないでしょうか?
就活は学生時代頑張ったこと、志望理由がメインでした。
バイトやインターンは記載や説明したことはあるかもしれません。
でも実際に今取り組んでいる仕事について文字にしたことはありますか?
誰かに説明したことはありますか?
わたしもありませんでした。
社内の会議などありますが前提条件や共通認識があるので0から説明することはありません。
自社は○○のビジネスで業界1位で、本社の営業部と地域の営業部があって〜など会議で話しませんよね。
でも転職の面接だと仕事の前提部分を丁寧に説明する必要があります。
超大手であれば「何を誰に提供しているのか」ぐらいは面接官でもイメージできます。
しかし、部署がどういう構成で何をしていては想像しないとわかりませんよね。
あなたが営業部といっても営業企画かもしれませんし、新規開拓 or 既存深耕でも意味は変わってきます。
改めて自分がやっている業務の棚卸しをしてみましょう。
また他人に向けて説明できるように文章にしてみましょう。
例えばですが、整理してみると意外な発見もあります。
業務の棚卸し
- ○○業界で売上TOPだけでなく業界規模も記載したらインパクトがある
- 営業企画部(社内だけでなく各地域の販売パートナーへも製品知識を教育している)
- DXに向けて部署横断組織があり選抜された、メンバーのなかで一番若手で期待されている?
自分や今の会社について知らない人に向けて自分の仕事を紹介するとどうなるか。
どういった印象を持ってもらえそうか、自分としてはどのようなイメージを持ってもらいたいか。
これを意識して職務経歴書ではなくても良いので今の仕事について書き出してみてください。
わたしは月毎にやったことの振り返りをしました。
入社月から現在まで月毎に取り組んだこと、工夫したいこと、成果に分けてスプレッドシートに書き起こしました。
最初は大変ですが、半日程度使って作成しておくと何かと便利ですよ。
文字に起こしてみると意外と仕事やってるな!と思うかもしれません。
一方で結局なんもやってなくない?調整役じゃん・・・と落胆するかもしれません。
が一旦は職務経歴書を知ってあまり書けなかった、意外と書けたと着手したことが重要です。
本当に転職をしたいと思うなら準備をしましょう
ここまで転職をしたいと思った理由と今までの仕事を整理しました。
ギャップがあったのではないでしょうか?
東京のベンチャーでバリバリ働いて、SOもらって、上場させて
NewsPicksやメディアのインタビュー答えて、タワマンに住んで
みたいなことを大学時代の友人と話していませんか?
結局その場だけ気持ち良くなって月曜日がくればそんな発言も忘れて・・・
まずは動くための第一歩を踏み出しましょう。
自分がなぜ転職をしたいのか、求める条件は何か、相関関係はどうかを理解しましょう。
ここで転職の方向性が決まります。
次に決めた方向性に進むにあたって自分の今のスキルで進めるかを判断します。
ここで職務経歴書と業務の棚卸しで現状を知ります。
方向性と現状を把握したらそのギャップが明確になります。
転職活動をしながらギャップを埋めるのか、現職で方向性に合致するスキルを積んでギャップを埋めるのか。
それはみなさんの自由です。
超大手の通期赤字決算が連日報道される中、会社任せではなく、自分でキャリアを開拓していくために。
ここまでできたあなたはその一歩を踏み出しました。
おめでとうございます。
追い風?向かい風?いまの転職市場を知る【マーケット分析=Customer】
正直に申し上げると求職者にとって向かい風です
なぜなら新型コロナウイルス感染拡大によって各社はコスト削減をしているからです。
就職人気ランキングの上位企業でも新卒採用をやめる時代です。
当然かもしれません。
令和2年度平均の有効求人倍率は1.10倍で、前年度に比べて0.45ポイント低下。
では向かい風の厳しい市況において転職活動はするべきなのか。
答えはするべきです。
そもそもあなたが転職に少しでも興味を持って、いまこのブログを読んでいるのであればするべきです。
一方で現職で働き続けた方が良い人もいます。
まずは自己分析で、なぜ転職をしたいと思ったのかと次に進む方向性、現状をよく理解してください。
アメリカではすでにマスクをせずに外出できるようになりました。
過去の世界的なパンデミックを見てもずっとウイルスの脅威に驚異にさらされるわけではなく人類は克服しています。
近い将来転職を考えているのであればコツコツでも良いので準備をしておきましょう。
プラスの側面
- オンライン面接の促進
- 新卒採用よりも経験者・即戦力採用を強化
オンライン面接の促進により業務時間後に家で面接を受けられるようになりました。
コロナ前であれば会社になるべくバレないように有給休暇を取得して日中に受けることもありました。
一方、人柄・雰囲気重視で就職活動を乗り切った人は少し辛いかもしれません。
照明・Webカメラを買うなどして少しでもオフラインの対面と同じ状況をつくる工夫をしましょう。
現職でコツコツとスキルを積み上げていった人は有利です。
人口減の影響もあり、今いる人+スキルがある人を社外から採用して業績を伸ばそうとする会社は多いです。
次の競合分析でも触れますが、現在大手に在籍している人はあまり大きな影響はありません。
いますぐにするべきではないかもしれませんが大手出身の若手を欲しがる会社は数多あります。
なので転職市場の動向に振り回されるのではなく、自分軸での転職を成功させるために今やるべきことをやりましょう。
いざ転職となったときにどんな人が競合になるか【競合分析=Competitor】
どのような人が競合になるか
みなさんの方向性と志望する業界・業種によって異なります。
他の求職者の一例
- エージェントとみっちり面接対策をした人
- 転職のための塾に通っている人
- 圧倒的な成果(営業成績全国No.1 etc)
結局就職活動と同様です。
海外留学した人が優秀なわけでも、TOEIC900点取った人が優秀なわけでも、
複数インターンを経験した人が優秀なわけではありません。
わたしは新卒採用担当として面接官をしていました。
目に見える成果が明確すぎる人ほど「その人らしさ」が見えません。
わかる気もします。
圧倒的な成果があればその成果が物語っているでしょうと。
明確すぎる成果がある人はその成果に頼りきってしまい深く考えていないような気がします。
採用担当者が見ているのは成果だけではありません。
その成果を出した背景です。
どのような思考回路で成果を出したのか、その方法は再現性があるか。
結論採用して自社で働いてもらうことになったときにその成果が発現するかを確認しています。
成果を出している人に成果だけを語る浅はかな人はいないと思いますが、
面接官は成果を聞きたいんじゃありません。
その成果がどういった環境、状況で発現していて、その道筋が整理されているかです。
転職の面接は就職活動のように集団面接ではなくて大抵個別面接です。
なので企業が求めるジョブ・ディスクリプションに合致するな経験、実績、志望理由を面接官に伝えるだけでOKです。
転職における競合はあまり意識しなくても大丈夫です。
ジョブディスクリプション
職務のポジション名、目的、責任、内容と範囲、求められるスキルや技能、資格
転職市場において大企業出身であることのメリット
1社目が大企業であることは転職市場にとって非常に有利です。
なぜなら応募するみなさんだけでなく、採用する企業側にもメリットがあるからです。
みなさんのメリット
- 現職の説明コストが低く、面接時間の多くを自分の話に割ける
- なんかすごそう、できそうという有能なイメージを持ってもらいやすい
- 時間的猶予がある(転職を焦らなくて良い)
採用する企業側のメリット
- 手厚い社員教育を受けていて中途採用後の育成コストが低いこと
- 就職活動を勝ち抜いた地頭・戦略性があること
メリットばかりじゃなくてデメリットもあるでしょ?
と声が聞こえてきそうです。
現段階ではそのようなメリットがあるのか、有利なのかというぐらいの認識でOKです。
転職活動を始める準備は整いました
大企業でも安泰ではない時代に自分でキャリアを形成しよう
3C分析を活用して、自己分析、転職市場、競合の順番に整理をしてきました。
本ブログを読み終わったあなたがやるべきことは何でしたか?
やるべきこと
- 仕事、職場に求める条件を書き出してみる
- MAXの理想を100として現職の数値を入れてみる(主観でOK)
- 転職先に求める数値を想像する
- 条件を満たす方向性を確認する
- 職務経歴書のフォーマットを入手する
- 試しに書いてみる
- 現職の業務の棚卸しをしてみる
コロナ下で有効求人倍率は前年度に比べて0.45ポイント低下していますが、
一方でオンライン面接などプラスの面もあります。
就職活動ほど他の求職者を意識することはないです。
ただ成果に溺れて、成果だけを語る人は面接を通過できませんという話をしました。
薄く転職活動を続ける
転職をしたい理由
- なんとなく将来に不安を感じている
- 大学の友人が転職か、俺も考えるかな
のような人はいますぐに転職サイトに登録してください。
いますぐ転職したい、こんな職場辞めてやるとなったときに慌てないようにするためです。
転職市場がどうなっていて、自分の現職がどのような評価を受けるのか
それを把握しているのといないのでは今後のキャリアを形成していく上で雲泥の差があります。
わたしも入社2年目に入ったタイミングぐらいで転職サイトに登録しました。
当時はまだ仕事も覚えつつある段階で転職なんて考えてもいませんでした。
でも就職活動でたくさんの会社を見たことが理由で転職サイトにとりあえず登録してみました。
- これだけたくさんの会社があるのだから生涯一つの会社にしかいないのはもったいない
- 他の会社ってどんなことをやっているのだろう、中から見てみたい
ぐらいの動機でした。
いま振り返れば良い判断をしています。
結局4年目に転職をするのですが、2年目から転職市場と薄く接点を持っていました。
おかげでいざ転職を視野に入れたときにやるべきこと、自分がやってきたことを理解できていました。
来るべきタイミングに備えて適切な準備をしましょう
今の環境に少しでも満足していないから本ブログを見たり、転職関連の情報収集をしたりしているんですよね。
焦る気持ちや少しでも早く転職をしたいという気持ちはわかります。
しかし、1回目の転職、いまの大企業出身という大きな看板を大事に使って欲しいと思いブログを書いています。
決して転職市場が良いというわけではない現状において焦りは禁物です。
幸いみなさんは大企業に籍を置いているので世間一般の平均より給与水準は高いです。
さらに福利厚生は充実していて、テレワークができているかもしれない。
いま居る環境のメリットを最大限享受しながら次のステップを虎視眈々と狙ってください。
まとめ
今回は大企業からの転職を考えたときにまずやるべき3つの準備を書きました。
今後、準備編、実践編、転職後のパートに分けて細かい記事を書いていきます。
例えば・・・
- ステップ別の転職戦略(業態・職種・業界)
- エージェントを活用しない転職
- 内定取得後の交渉や退職報告
また記事を読んでいただけると幸いです。